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たばことお肌の関係

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たばことお肌の関係
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紙巻きたばこや加熱式たばこ、電子たばこなど「たばこ」と呼ばれるものは、発がん性物質などの有害物質を数多く含んでいます。喫煙には、発がん性はもちろんのこと全身の老化を促進する作用もあるため、その結果、呼吸機能低下、動脈硬化促進、免疫力低下、骨粗しょう症、不妊症など多くの疾患を人体に引き起こします。

注:加熱式たばこについては新しく開発されたものであるため、長期間にわたる害に関しては研究中である。

喫煙がもたらす皮膚への悪影響

有害物質を含んだ煙が皮肩に直接触れることや、吸い込んだ煙に含まれる有害物質が全身をめぐることによって、皮膚疾患をもたらします。

喫煙がもたらす皮膚への悪影響

<喫煙による皮膚の疾患>

● 皮膚がん、口腔内がん
●アトピー性皮膚炎の悪化
●ニキビ、肌荒れ
●手荒れ、頭皮の荒れ(フケ、かゆみなど)

掌蹄膿疱症(しょうせきのうほうしょう(
●スモーカーズフェイス*
●末梢血行障害(手足のしびれや痛み、壊死など)
●傷などの治癒力低下など

掌蹄膿疱症

中でも、 掌蹄膿疱症(しょうせきのうほうしょう((手足にできる水虫に似たひどい湿疹)は、患者さんの約85%が喫煙者であり、禁煙すれば症状が改善するなど、喫煙との因果関係が非常に強い疾患です。

スモーカーズフェイス

*スモーカーズフェイス(喫煙者の顔つき)

喫煙を続けていると、肌の色がくすみ、皮膚の弾力が低下し、シミや深いシワが増え、肌のキメが粗くなり、実際の年齢よりも老けた顔つきになります。他に、頭髪の変化(白髪、脱毛)、唇の乾燥や歯と歯ぐきの着色、虫歯、ひどい口臭、声の変化なども起こります。

皮膚の健康を保つためには喫煙なんてしない
そして、受動喫煙も避けなければ意味がありません

受動喫煙

たばこの先端から出ている副流煙には、主流煙よりも多い割合で有害物質が含まれています。家庭や職場など、受動喫煙の環境がある場合は、その有害物質の影響を受けて皮膚疾患を発症することもあるのです。
特にアトピー性皮膚炎は、受動喫煙によって発症する「受動喫煙症」の症状としてもあげられています。

「たばこを吸っていても、他の面で健康に気をつけているから大丈夫」と考える人もいますが大きな間違いです。喫煙をすれば台無しになります。「生活習慣は悪いが喫煙はしない」という人よりも、「他の生活習慣は良いが喫煙をする」という人のほうが寿命が短い(喫煙が寿命を縮める)という研究結果もあるのです。

●たばこの煙を直接吸わなければ大丈夫?

たばこの煙を直接吸わなければ大丈夫?

たばこに含まれる有害物質は、喫煙者の呼気や髪の毛、着衣、喫煙後の室内の壁紙やカーテンなどからも長時間放出されます。
つまり、喫煙中の人が目の前にいなくても受動喫煙と同じ状態になるのです。
しかも非喫煙者は、わすかな濃度のたばこ煙でも喫煙者と同じくらいの悪影響を受けます(感受性が高い)ので注意が必要です。

【監修】医療法人 本町皮フ科クリニック
   院長 康村 綾子 先生
   〈日本皮膚科学会認定皮膚科専門医〉

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