今後の目標、あるべき姿についてお聞かせください。 塩川: 私たちは、薬薬連携の土台をつくり、輪を広げ始めたばかりなので、さらに拡大していくことが目標です。そのためにも協議会としては、市民に対して、我々の活動を知っていただく努力をしていかなければなりません。今年の診療報酬改定では「かかりつけ薬剤師」も新設され、薬剤師の役割がより注目される中で、存在意義、頼れる存在であることをしっかりアピールする必要があります。まずは、協議会と行政の連携という形で、市民公開講座を開催できればと思っています。また、超高齢化社会を迎えるといわれる2025年を見据えて、地域包括ケアシステムの中で薬剤師はどんな貢献ができるか、を認知していただき、かつ評価される活動をしていきたいと思います。 下山田: 会津若松市では毎年、「健康まつり」が開催され、会津薬剤師会が参加しています。昨年は、薬薬連携協議会のメンバーも何人か参加しました。そこでは、医師会の先生方が公開講座を開催されていますが、近い将来、協議会としても講座を持つことができればと考えています。一方、「會津お薬手帳」は薬薬連携だけでなく、医・薬・介の連携に役立てることができれば、と思います。電子化が進む中で、将来的には媒体の形が変わる可能性もあると思いますが、地域包括ケアシステムの中での患者さんの情報を皆で共有する方法を伝えていくことはできるでしょう。
最後に薬剤師同士、病院から薬局へ、また薬局から病院へ、 メッセージをお願いいたします。 塩川: 薬薬連携の目的は、同じ薬剤師という職能を持つ者同士、患者さんに何ができるか、を追求していくことです。そのことを意識して、同じ方向に向かって、今の関係、顔の見える関係を広げていきましょう。 塩川先生と下山田先生 下山田: 私も同感です。薬薬連携を始動する際に作成した【薬薬連携の指針】には、「我々薬剤師が望むことは患者さんによりよい薬物治療を提供することです。そして患者さんは、薬局の薬剤師、病院薬剤師、それぞれの立場から指導、情報を受けることが出来て、ひいては患者さんのQOLの向上や副作用の軽減につながることができます」と書かれています。互いの業務に対する理解を深めた上で、それぞれの立場から患者さんに適切なアドバイスをし、患者さんにより良い医療を提供していこう、という気持ちがあれば、必ず成功すると信じています。