長年、365日24時間体制の在宅医療を提供し、
多職種連携、地域医療連携システムの構築に尽力されてきた
医療法人ナカノ会理事長 中野一司先生にお聞きしました。
Vol.1
多職種連携から地域包括ケアシステムへ。
ICTをフル活用した在宅医療からの挑戦
ICTをフル活用した在宅医療からの挑戦
医療法人ナカノ会理事長
中野一司先生
中野一司先生
将来展望
「ナカノ理論」を世界へ。そして地域貢献、理想の地域包括ケアシステム構築(完成)を目指す。
2017年6月、ナカノ在宅医療クリニックは、ケアタウン・ナカノと同じ敷地内に移転し、ナカノ在宅医療連携拠点センターとしての機動性がより高まった。組織の拡大につれ、スタッフマネジメントの難しさを実感する中野先生だが、組織編成と新たな人員配置も整い、次なるステージ、地域のコミュニティとしての機能を包括するケアタウンを目指している。
中野先生の今後の抱負についてお聞かせください。
全国でも、この鹿児島の地でも地域包括ケアシステムの構築は進んでおり、在宅医療も裾野を広げています。向かう先は、私が在宅医療の実践の中で描いてきた姿であり、私もその一助になってきたと自負しています。ケアタウン・ナカノは3次計画を掲げており、本年度で2次計画(組織の一体化)が終了します。次なる3次計画では、レストランや商店などを併設し、地域に貢献しようというもので、地域の清掃など身近な活動も含め、地域住民を巻き込んだコミュニティづくりを考えています。
一方で「ナカノ理論」を鹿児島から全国各地へ、さらに世界に広げていきたいですね。今、急性期治療後の受け入れ先として地域包括ケア病棟が推進されていますが、私は、これは過渡期と捉えています。ケアを実践する在宅医療が充実してくれば、キュア志向の延長線上にある慢性期や療養型の病棟、病院は淘汰されるでしょう。当法人としても、退院後の患者さんの生活をイメージし、ケアとキュアのバランスがとれた医療を提供できる慢性期病院の運営(下流からの逆流)にもチャレンジしたいと思っています。
一方で「ナカノ理論」を鹿児島から全国各地へ、さらに世界に広げていきたいですね。今、急性期治療後の受け入れ先として地域包括ケア病棟が推進されていますが、私は、これは過渡期と捉えています。ケアを実践する在宅医療が充実してくれば、キュア志向の延長線上にある慢性期や療養型の病棟、病院は淘汰されるでしょう。当法人としても、退院後の患者さんの生活をイメージし、ケアとキュアのバランスがとれた医療を提供できる慢性期病院の運営(下流からの逆流)にもチャレンジしたいと思っています。
参考文献
- 中野一司著:
- 「在宅医療が日本を変える」― キュアからケアへのパラダイムチェンジ ―
【ケア志向の医療=在宅医療】という新しい医療概念の提唱。ドメス出版、2012年。
- 中野一司著:
- 「続・在宅医療が日本を変える」― キュアからケアへそしてケアからキュアへ ―
【ナカノ理論(問題解決理論)構築と実践】。ドメス出版、2017年。