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2021年8月スタート「薬局認定制度」

―地域の物流拠点となる薬局―

薬剤師トレンドBOX#27

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8月より始まった薬局認定制度では法令の条件を満たすことで、「地域連携薬局」や「専門医療機関連携薬局」の名称を表示することが可能になります。
従来、進められてきた薬剤師業務に対する期待が、地域と連携することでよりいっそう高められます。
今回は、薬局認定制度のポイントをおさえるとともに、医療機器や衛生材料における地域の物流拠点の今後の展望をご紹介します。

2021年8月施行の薬局認定制度

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が2019年11月に改正、12月に公布。そして特定の機能をもつ薬局として「地域連携薬局」及び「専門医療機関連携薬局」の認定制度が2021年8月1日に施行されました。

「地域連携薬局」及び「専門医療機関連携薬局」を称する薬局は認定薬局ともよばれます。法令で規定する要件を満たす薬局は、都道府県知事の認定を受けて称することが可能です。

地域連携薬局

地域連携薬局とは、在宅医療への対応や入退院時を含め、他の医療提供施設との服薬情報の一元的・継続的な情報連携に対応できる薬局と定義されています。

地域連携薬局として、地域における他の医療提供施設で勤務する医師や医療関係者などに対して、入退院時の情報連携や在宅医療への対応を行います。
また、地域連携薬局は医療施設だけでなく、利用者が関わる介護施設などとも連携を取りながら業務を行うことも求められています。

専門医療機関連携薬局

専門医療機関連携薬局とは、がん等の専門的な薬学管理が必要な利用者に対して、他の医療提供施設との密な連携を行いつつ、より高度な薬学管理や、高い専門性が求められる特殊な調剤に対応できる薬局のことです。

専門医療機関連携薬局は、医薬品に関しての専門性の高い情報発信、高度な薬学管理を行うために必要な研修等を実施することにより、専門的な薬学管理が対応可能となるように支える取組みも期待されています。

認定薬局における薬剤師の役割

法改正により、薬局とは調剤の業務を行う場所というだけではなく、薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供、及び薬学的知見に基づく指導の業務を行う場所という内容が追加されています。
また、地域連携薬局に常勤している薬剤師の半数以上が、地域包括ケアシステムに関する研修を修了した者であることと定められています。

医療機器や衛生材料を提供するための認定薬局としての体制

地域連携薬局の認定基準として医療機器及び衛生材料を提供するための体制が定められています。
また、訪問診療を利用する患者に対し必要な医療機器及び衛生材料を提供するための体制を備えるため、高度管理医療機器または特定保守管理医療機器の販売業の許可を受けることが求められています。

薬局で保管する医療機器・衛生材料は、薬局において必要と判断するものに限って差し支えありません。しかし、保管したもの以外が必要になった場合には、速やかに入手できる体制を構築しておくことが重要です。

医療機器や衛生材料の提供を行う薬局の事例

神奈川県にある薬局では、かかりつけ薬局として処方せんによる保険調剤だけでなく、専門調剤や在宅訪問も行っています。在宅医療で必要となる医療機器や衛生材料として、滅菌ガーゼや精製水だけでなく、経腸栄養バッグや輸液セットなどの提供も行っています。

地域連携薬局は、訪問診療に関わる医療機関に対しても必要に応じて医療機器や衛生材料の提供を行うことが可能です。医療機関や訪問看護ステーションが、個別に医療機器や衛生材料を用意する必要がなくなり負担の軽減につながることが期待されます。

認定薬局に対する調剤報酬

2021年8月現在、地域連携薬局と専門医療機関連携薬局に対して算定できる加算はありません。しかし、「地域連携薬局」の施設基準と類似性が高い調剤報酬に「地域支援体制加算」の施設基準があります。
「地域支援体制加算」は、かかりつけ薬剤師が機能を発揮し、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する薬局が算定できる加算です。

「地域支援体制加算」と「地域連携薬局」の内容が似ているので、「地域支援体制加算」が「地域連携薬局」の内容に近づいてくる可能性もあります。今後、認定薬局は地域と薬剤師を繋ぐ重要な存在となるでしょう。

(2021年9月掲載)
編集:学校法人 医学アカデミー

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